有田焼の良さとは?特徴や魅力について簡単に解説
佐賀県西松浦郡有田町で製造される日本三大陶磁器のひとつである「有田焼」。
日本の高級伝統工芸品として遥か昔より多くの人に愛され、現代でも愛され続けているそんな有田焼の良さとは何だろう?特徴や魅力について簡単にまとめてみました。より多くの人に有田焼に関する知識や魅力を知っていただけたらと思います。
目次
有田焼とは?
有田焼とは佐賀県西松浦郡有田町で製造される陶磁器です。
有田焼の歴史は古く、遡ること400年以上前(16世紀末)に朝鮮出兵の際に連れて来られた「李参平」氏が磁器の原料である「陶石」を有田町で発見したことがきっかけで製造が始まりました。
それまで日本では土ものの「陶器」が主流でしたが、ガラス質を多く含んだ陶石によって作られた透き通るような美しい白色の「磁器」は日本の陶磁器生産に革命をもたらしました。
それ以降、有田焼は日本の陶磁器発祥の地として多くの人々に愛され続けています。
有田焼の歴史
有田焼の歴史は今から400年以上前である1616年頃まで遡ります。
朝鮮出兵の際に日本へ連れて来られた李三平氏が有田町の泉山で磁器の原料である「陶石」を発見し、磁器を焼いたことから始まったとされています。
有田焼は江戸時代頃までは伊万里港より輸出されていたことから「伊万里焼」や「肥前焼」と呼ばれていましたが、明治以降になると有田で焼かれたものは「有田焼」、伊万里で焼かれたものは「伊万里焼」と地域で判別されるようになりました。
有田焼の特徴と魅力
有田焼の特徴は、ガラス質を多く含んだ原料(陶石)により作られる、濁りのない透き通るような美しさをもつ「磁器」に、鮮やかな赤と呉須による藍色の美しい染付が共通の特徴です。
しかしながら、模様やデザイン、用いられる色は様々で様式(種類)によって特徴や魅力は大きく異なります。
そんな有田焼の様式は「初期伊万里様式」「柿右衛門様式」「鍋島様式」「古伊万里様式」の4つに分類され、これらは有田の四様式と呼ばれます。また、初期伊万里様式を除く3つを「三様式」と言います。それぞれの様式の特徴や魅力は以下の通りです。
初期伊万里様式
有田焼が始まった1610~1650年頃までの作品である「初期伊万里様式」
温かみのある素朴な質感と和の落ち着きのある色調で表現された自由さと勢いのある筆遣いが特徴的です。
柿右衛門様式
乳白色の温かみのある濁手(にごしで)と呼ばれる生地の余白を生かし、品のある落ち着いた赤を基調とし、黄・緑・青・金で日本画風な構図が特徴的。
鍋島様式
一線一画ともおろそかにしない精緻な絵付けによる紋様が特徴。
染付のみで描かれているものは「藍鍋島」と呼ばれ、
赤と黄と緑の三色を基調に描かれているものを「色鍋島」と言います。
古伊万里様式
金色と多彩な色を用いて器いっぱいに埋め尽くされる程描かれた煌びやかなデザイン(金襴手)が特徴的。
国内外で愛され、海外では17~18世紀に主に中東やヨーロッパ、日本では元禄時代に好まれました。
古伊万里式は元禄時代の豊さが反映された絢爛豪華な時代的描写が反映されたような魅力的な作品です。
有田焼の伝統的な模様や柄の種類
有田焼は縁起の良い梅や竹、紅葉や植物などをモチーフにした特徴的な模様が多く、伝統的な紋様を挙げると下記のようなものがあります。
青海波(せいがいは)
蛸唐草(たこからくさ)
唐草(からくさ)
瓔珞紋(ようらくもん)
魚藻文(ぎょそうもん)
丸紋(まるもん)
祥瑞(しょうずい)
山水絵(さんすいえ)
赤絵万暦(あかえばんれき)
十草(とくさ)
千筋十草(せんすじとくさ)
市松(いちまつ)
唐子(からこ)
有田焼に関するQ&A
有田焼はどうして高いの?
有田焼は分業制で製造されており、各分野のプロフェッショナルな職人たちが手を介していることにより、高い品質の器を作ることが出来るため、焼物の中でも高価な価格帯です。
有田焼の手触りってどんな感じ?
有田焼はガラス質を原料としているため、つるつるした滑らかな手触りとなっています。
有田焼と波佐見焼と伊万里焼の違いは何ですか?
かつては伊万里港より輸出される焼き物は「伊万里焼」として総称されていましたが、時が経つにつれ、作られる地域の名前で呼ばれるようになりました。
有田焼はなぜ丈夫なの?
有田焼はガラス質を多く含む陶石を砕いて粉にし、それを練って作ったものを1250~1300℃という高温で焼成することで頑丈な器が作られます。高温で溶かすことで陶石に含まれていたガラス質が一度は液状になり、それが固まることでまるで鉱物のような固さが生まれます。